現場に生きる 現場の胸アツ!ストーリー

ランドマークを舞台裏で支える 一人ではできなくとも力を合わせ実現へ

中部国際空港(セントレア)の開港

胸アツ!メンバー

※取材時の所属・役職を記載しています

  • トーエネック 営業本部
    顧問 中村賢二

胸アツ!ストーリー

中部国際空港、愛称は〝セントレア〟―。
2005(平成17)年2月、愛知県常滑市に開港した同空港は、東海地方の空の玄関口だ。
2018(平成30)年度の旅客数は1234 万4682 名で空港別乗降客数順位は、国内線第8位、国際線第5位となる(国土交通省「空港管理状況」)。東京圏、大阪圏に次ぐ国内第3位の市場規模を誇る経済圏、中京圏が誇る国際空港である。
中村(現:営業本部 顧問)はセントレアの開港工事に携わった一人だ。空港のような特殊工事に多く関わってきただけに、空港関係の仕事に関しては中村よりも詳しい人物は社内にいないと言っていい。
「中部国際空港開港工事における私の役割は、図面を描いたり、積算したり、打ち合わせしたりして、協力会社の方に現場で仕事をしていただくことでした。事務所に一日中いる、というのは苦痛で仕方がない性分でしたから、現場内を飛び回っていました」(中村)
中村たちは2002 年4 月~2004(平成16)年7 月までの27 カ月間、滑走路や平行誘導路に進入灯、滑走路灯、誘導路、ポール型灯器などを据え付けた。すべての灯器を合わせて、開港当初は5000 個ほどを設置した。
数が多い灯火の設置だけに、少しの工夫が大きな効率化につながった。中村たちは灯火を設置するための穴を開けるのに、冷却水を使わないカッテイング工法を採用し、作業の効率化を図った。また、灯火を真っすぐに設置するために必要な測量は数万回に及んだ。そこで、光波を発射して距離を得る光波測量に、GPSによる測量も併用し、測量時間を短縮した。

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中部国際空港「セントレア」

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左:カッティング工法による穴あけ作業の様子
右:灯火を設置するための穴

中村たちの努力により、短い工期の中で、5000灯を無事に設置、点灯することができた。ただ、すべてが簡単に行ったわけではない。土を掘ったところが大雨で水がたまり、何日も引かずにプールのようになったこともあった。クルマのドアを開けた瞬間、海からの強烈な突風が吹き付けてドアが壊れたこともあった。台風の到来もあった。こうしたさまざまな出来事を乗り越えて、現場は完成した。今は顧問と言う立場である中村、現場に何を思うのか。
「私が現場でのこだわってきたことは、二つあります。一つはコミュニケーション。会社のすごいところは、一人では絶対にできないことができること、空港建設なんて、まさにそうですよね。それは一人ひとりが力を持ち寄って実現できることだと思います。そこに必要なのはコミュニケーションです。セントレアの工事も、施工中はいろんなことがありましたが、その一つひとつを仲間たちと知恵を出し合い、力を合わせて乗り越えてきました。これは、こだわりといいますか、大切にしてきたものといったところでしょうか。
そしてもう一つは、仕事を楽しむことです。セントレアのときも、慣れない仕事でいろいろと大変でしたが、いつだって現場は、新しいんです。同じ現場なんて一つもないんだから、慣れることなんてあるわけない。でも、常に新しい経験をする中で、自分の中に蓄えができていき、目の前の事象をその蓄えに当てはめながら、新しいことに挑戦していく。そりゃ大変なことばっかりですよ! でも、『大変だからこそ面白い』ということを実感できるのが電気の仕事の魅力ですね。
私も海外旅行に行くことがあります。そのとき、機内の窓から自分たちが設置した航空灯火の灯りがきれいに並んでいるのを見ると、本当に嬉しい気持ちで一杯になります。今日もしっかり滑走路を照らしてくれているな、って」(中村)

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