現場に生きる 現場の胸アツ!ストーリー

快適環境を支える「誇り」 培った経験が現場に活きる

田原市給食センターの空調衛生設備工事

胸アツ!メンバー

※取材時の所属・役職を記載しています

  • トーエネック 東京本部 空調管部
    工事第二グループ長 坂本 淳

胸アツ!ストーリー

トーエネックはさまざまな事業を手掛ける。2013(平成25)年には、「田原市給食センター」の空調衛生設備工事を担った。担当したのは、現在、東京本部で空調管部の工事第二グループ長を務めている坂本淳である。この当時、坂本は岡崎支店の営業部に所属しており、同工事で現場所長を務めていた。
入社以来、一貫して空調管部門の工事に携わってきたという坂本だが、給食センターという施設を手掛けるのは、この田原市の物件が初めてであったと言う。初めての給食センターだったと言うが、そこは入社以来、空調衛生設備畑でやってきた坂本のこと、田原市給食センターでもこれまでの経験が遺憾なく発揮された。
過去に坂本が手掛けた食品工場などと同様に、食品を取り扱う給食センターでもHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)という食品衛生法上の衛生管理基準が適用され、例えば汚れがたまりにくい構造にするといったことなどが求められた。そこで坂本はこれまでの食品工場の工事などの経験を大いに活かし、排気口から虫が侵入しないようにする、建物内を非汚染区域と汚染区域に分けて、汚染区域からの空気が非汚染区域に流れ込まないように空気の流れをつくる、といった対応をきっちりと行なった。
そんな知識と経験豊富な坂本を驚かせたのが、この給食センターに導入された食器洗浄システムの「Eco-Vent ACA」である。坂本は、「Eco-Vent ACA」がこのセンターに採用されるまでのいきさつを聞き、さらに導入効果を目の当りにして「熱気と湯気を減らすのがこんなに大変だとは思わなかったです。でも、導入してみたら、これほど空調負荷が低減でき、作業環境がよくなるとは驚きました」と話す。この工事の経験はまた一つ、坂本の財産となったに違いない。
田原市給食センターは「日本最大級のオール電化給食センター」であり、また、新製品、省エネルギー洗浄システム「Eco-Vent ACA」の初の導入事例という大きな特徴もあった。
そのため、全国の自治体関係者や給食センター関係者、厨房機器メーカー、建設業者、設備工事業者など、さまざまな見学希望者が見学に訪れた。見学者の対応には坂本が当たり、自らが「Eco-Vent ACA」を導入して感じた驚きを交えて、そのメリットを説明した。
「国内に働きやすい環境の給食センターが増えたらいいなと思い、説明に当たりました」と坂本。そして工事は無事に完了し、試運転の日を迎えた。
この日、初めて衆目の前で稼働した田原市給食センターの各施設は、見る者に新鮮な驚きと興奮、そして感動をもたらしたという。多くの給食センターが抱えていた課題―フル稼働時に発生する湯気は、ほとんど室内に漏れ出すことなく、排気されていた。それまで、もうもうたる湯気がたちこめる暑い中で仕事をしていたセンター職員たちからは、称賛と感謝の言葉が上がった。

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調理室

後日、給食センターではオープン前に、関係者を招いての試食会を開催し、施設でつくられた給食が振る舞われた。坂本もこれに参加しており、出された給食を自分の舌で味わった。今日も同給食センターでつくられた給食が、多くの子どもたちに笑顔と笑い声をもたらしていることだろう。
「私の現場のこだわりは、楽しむことです。工事の最中は楽しんでいる余裕なんてまったくありません。私もかなり厳しい顔をしていると思います。そんな中、どうやって楽しむのか。直面した問題を皆で知恵を出し合って一つひとつクリアして、完成へ向かう。お客さまのニーズに頑張って応えていく。目の前の壁を一つひとつ乗り越えていくプロセスが困難であればこそ、無事に工事が終わった時、楽しかったと言えるんじゃないかなと思います」(坂本)